ニシキハゼ [地方名ショウノフエ] (ハゼ科) Pterogobius virgo (Temminck & Schlegel, 1845)
ニシキハゼ(広島湾)

ニシキハゼ 
オリンパスE-1 ZD50/2マクロ f6.7 1/125 FL-20(フル)+D-180(フル) 撮影距離70cm 
広島湾 8月 水深50cm

 伊豆半島あたりでは水深20mよりも深場に、真鶴あたりでも-10mより浅い場所では見かけることはありませんが、広島湾では水深50cmから現れ、個体数も比較的多いです。同じ種なのに、これだけ差があるとは不思議です。伊豆方面のダイバーにとっては、本種が波打ち際から見えるとは信じがたいのではないでしょうか。

 岩礁のある砂底で、海藻の間の砂地にえぐれたところがあると必ずといっていいほどニシキハゼがいます。砂の中の小生物を鰓で濾しとって鰓蓋から砂を吐き出しています。ニシキハゼのおこぼれに預かろうとキュウセンやキヌバリがついて回るのもよく見かけます。

 年中成魚を見かけますので、2年以上生きるのでしょう。中には30p近い非常に大きな個体もおり、大きく砂地をえぐっていますが、さすがにここまで大きいと警戒心が強いらしく、なかなか近寄れません。

 あまり警戒心の強い魚ではありませんが、ほとんど逃げない個体もいるので撮影する際はこうした個体を集中的に狙うとよいでしょう。

 地方名の「ショウノフエ」とは、おそらく「笙の笛」のことだと思われます。雅楽に使われる管楽器で、形が似ています。

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