テッポウエビ (テッポウエビ科) Alpheus brevicristatus De Haan, 1844
テッポウエビ(広島湾)


テッポウエビとスジハゼ 
オリンパスE-1 ZD50/2マクロ f16 1/60 Z-220(フル)+D-180(フル) 撮影距離40cm 
広島湾 12月 水深1m

 テッポウエビはごく普通種ですが、水中での生態写真は少ないようです。内湾の砂泥地に棲息するのですが、このような場所がダイビングスポットと重ならないからです。

 観察していると、スジハゼとは一応1:1に対応しているようで、スジハゼを追い払っても、同じ個体が巣穴に戻ってきます。しかし、スジハゼは脅かすと簡単に巣穴から離れます(共生ハゼは脅かすと巣穴に引っ込むのが通例)ので、あまり厳密な共生関係ではないようです。ハゼがいなくなると、テッポウエビは危険を知らせる役がいなくなるので出てきません。

 テッポウエビを撮るには、寄らせてくれる警戒心の薄いスジハゼを探すのが第一で、その巣穴でじっくり待ちます。すると、ハゼがいったん巣穴に入り、しばらくすると出てくるのが観察されます。これがエビが出てくる前兆です。エビが泥を掻き出そうとしますので、ハゼが出てくるのです。エビのはさみが見えたら潜降し、全身が出たところでシャッタを切ります。

 というわけで、この写真を撮るのに1時間近くを要しました。ハゼにはピントが合っていませんが、タンクを背負っていないので被写界深度内に収められればもうけもの、という感じです。

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