トビヌメリ [地方名ゴンゴチ] (ネズッポ科) Repomucenus beniteguri (Jordan & Snyder, 1900)
トビヌメリ求愛1(広島湾)

トビヌメリの求愛(その1) 

オリンパスE-1 ZD50/2マクロ f8 1/125 Z-220(フル)+D-180(フル) 撮影距離60cm 
広島湾 5月 水深1m

 砂地で海藻に覆われていない場所にいます。なかなか警戒心が強く、水温の高い時期は寄られません。冬は活性が下がるのか、寄りやすくなります。

 地元ではゴンゴチと呼んでおり、比較的おいしい魚とされています。実際、天ぷらや煮付けにして喰うと美味です。

 トビヌメリの求愛・産卵は、伊豆周辺では初夏(6-7月)に行われますが、瀬戸内海では秋になっても見られる可能性があるようです。

 本種をはじめネズッポ類はヒレを開いた瞬間を撮影しないと撮る意味が薄れるわけですが、タンクなしでこの瞬間を撮るのはまず不可能だと思っていました。ところが日が落ちて薄暗くなった頃、ヒレを開いて同じ場所をくるくる回っているトビヌメリがいます。寄っても逃げる気配はなく、ヒレ全開で回っているので、これは通常の状態ではないと即座に判断、他の被写体には目をくれずこの個体に専念することとしました。

 この「何かいつもと違うぞ」というのが重要で、これに気づくには通常の状態がどうなのかを知らなければなりません。そういう観点で、定点で同じ種を年間を通じて観察するというのは非常に重要です。

 というわけで、タンクなしでヒレを開いた瞬間を撮ることができましたが、実はよく見ると写真の中央下に雌が埋もれています(ぼけていますが、目と鰓穴が見えます)。雄はこの雌に向かってアピールしていたわけです。

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