ボウズハゼは太平洋に注ぐ河川に見られ、流れの速い場所を中心に棲息しています。ヒラテテナガエビやアユカケの分布域と重なります。
初夏には浮遊期の幼魚が群れをなしているのが見られます。多くの魚がそうであるように、本種も浮遊している時代は透明で、着底すると直ちに発色します。浮遊期には、透明であることによって敵から発見されるのを回避するのでしょう。
浮遊期は透明で群れているボウズハゼですが、着底すると直ちに色づき、単独で暮らしはじめます。大きさは2-3cmです。
着底したての幼魚はご覧のようになかなか美しい色合いで、地味で大型になる成魚とは印象が異なります。むしろナンヨウボウズハゼに似た雰囲気があります(類似種の幼魚が似ているのはよくあることです。)。
魚類ではシラウオ類が幼形進化の例としてよく知られています。学術的なことはよく分かりませんが、こうした幼魚の姿を見ると、ナンヨウボウズハゼ類はボウズハゼと共通の祖先から幼形進化した種なのかも、と思ってしまいます。