ブルーギル

(サンフィッシュ科 ブルーギル属)

Lepomis macrochirus Rafinesque, 1819

ブルーギル(琵琶湖)

特定外来生物

婚姻色のブルーギル

オリンパスE-3 ZD14-54(14)/2.8-3.5 f8 1/30 Z-240(TTL)×2

琵琶湖 8月 水深2m

 私自身は琵琶湖に入るまで本種に遭遇したことはなかったのですが、初めて琵琶湖に入ったときにうんざりするほどたくさん見ることになりました。

 日本にいる本種はすべて昭和35年に陛下が持ち帰られた15匹が起源との研究報告がなされております。当初は食用やイケチョウガイ幼生(グロキディウム)の宿主として期待され、各地の水産試験場で研究がなされました。一部では放流もされています。

 琵琶湖では昭和40年に内湖である西ノ湖で初めて確認され、およそ10年で琵琶湖全域に広まったとされています。1970年代まではさほど問題にはされなかったようで、昭和55年発行の『湖国びわ湖の魚たち』という書物には「最初は、この魚が他の魚の卵や稚魚を食い荒らすのではないかと心配されましたが、現在のところ特に問題は起きていません」と記述されています(ちなみにこの本にはオオクチバスはまだ紹介されていません)。

 しかし、1980年代に入ってオオクチバス繁殖との相乗効果なのか、在来種に深刻な影響を与えるようになってしまいました(琵琶湖総合開発の進展により水際の植生が失われ、在来魚が繁殖・棲息しにくくなったことも大きな原因と考えられます)。そればかりかバスと共存でき、バスの餌になるとして、日本各地のダム湖、ため池などにも放流されてしまいました。

 ため池ではブルーギルの侵入により(バスがいなくても)タナゴ類やカワバタモロコ、モツゴ類などが全滅してしまった事例がいくつも報告されています。その起源がわずか15匹というのはにわかには信じがたいほどです。

 この時期は、あちこちに水草を除けて産卵床をつくっていましたが、結構ビワヒガイに襲われていました。

 警戒心は薄く好奇心旺盛で、撮影していると寄ってきます。スズキ科に近い仲間(オヤニラミ、ティラピア類、オオクチバスなど)にはそういう傾向があるようです。しかし寄ってきて体をつつかれたり噛まれたりしたのには閉口しました(餌だと思っているようです)。

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