西表島の汽水域ではよく見かける普通種で、大潮の時には淡水域でも見ることがあります(ただし警戒心が強く、すぐ逃げられてしまう)。ミナミクロダイに似ていますが、本種は頭から背にかけて盛り上がることや、えらぶたの中央部に白銀の輝点がある(ミナミクロダイは黒い縁取りがある)ことから、水中でも見分けることが可能です(正式には、本種は側線と背びれ棘条の間の鱗の枚数が3.5枚、ミナミクロダイは4.5枚)。
タイの仲間は全体にそうですが、警戒心が強く、遊泳力もあるため、夜寝ているときならともかく、昼間撮るのはなかなか大変です。
これまで河口に近い汽水域で何度も撮影に挑んできましたが、「決まった!」と思ったら密度濁りでダメだったりして、思うように撮れていませんでした。これまでの観察経験から、1匹が通ると、直後に別の1匹がほぼ同じルートを通ることは分かっていました。このたび、感潮域の最上流部、密度濁りがあまりない場所で本種を確認したので、上述の性質を利用し、撮ることができました。