テンジクダイ

(テンジクダイ科 ツマグロイシモチ属)

Jaydia lineatus (Temminck & Schlegel, 1843)

テンジクダイ(三保)

テンジクダイ

オリンパスE-1 ZD50/2マクロ f16 1/125 Z-220(フル)+D-180(フル) 撮影距離36cm

三保 12月 水深10m

 漁獲物としては珍しくない種で、とくに瀬戸内海ではよく水揚げされます。しかし、潜水観察の対象としては至ってマイナーで、泥底種であることもあり、三保以外ではほとんど観察されたことのない魚だと思われます(日本海や広島湾で観察例があります。)。

 昼間の生態は分かりませんが、夜は単独で行動しています(夜行性のようです。)。敵が迫ると泥に潜る、という性質を持っているようで、追うと一瞬で泥の中に潜ってしまいます。

 この個体は、泥に入らずにヒロハイシガニの巣穴に逃げ込んだ全長5cmほどの個体です。巣穴には主人がいて、これがテンジクダイを追い出そうとするので、時々全身を見ることができました。その機会を捉えたものです。

 本種は私の地元では「メンパチ」(おそらく「目がぱっちりしている」の意)と呼ばれ、魚屋で普通に売られています。小型魚ですが味は良く、丸ごとつみれにして揚げたりして食べます。

 テンジクダイ科は2015年に分類が大きく見直され、伝統のテンジクダイ属はコミナトテンジクダイ属に縮小し、本種やマトイシモチは新設のツマグロイシモチ属となりました。

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