ツメタガイ [地方名ミヤコツブ] (タマガイ科) Glossaulax didyma (Roeding, 1798)
ツメタガイ(広島湾)

砂中を移動するツメタガイ 
オリンパスE-1 ZD8/3.5魚眼 f8 1/125 Z-220(-1)+D-180(フル) 撮影距離20cm 
広島湾 5月 水深1m

 海底を何やら這った跡が見えますが、これはツメタガイが砂中を移動しているものです。こうして二枚貝を探し、貝殻に穴を開けて食べます。黒く見えるのが軟体で、殻はこの中です。

 この海域では、1975頃には二枚貝類が大発生し、ツメタガイもたくさん見られたのですが、1980年頃にはほとんどいなくなり、現在に至るまで回復していません。それでもツメタガイの卵塊(いわゆる砂茶碗)は途絶えることなく見かけていましたので、ツメタガイが棲息していることは明らかでした。しかし、本体は実に1980年以来の確認でした。

 地元では「ミヤコツブ」と呼んで、美味な貝とされています。洗練された味のツブということでしょうか。ただし、茹ですぎると固くなります。

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