水中で稀に幼体を見かけることはありますが、普通はなかなかお目にかかれません。というわけで、干潟で「釣って」撮影したのがこの個体です。
アナジャコの「釣り」に関してはよく知られているので今さらなのですが、手順は以下のとおりです。
①干潟表面の砂泥を草刈り鎌で剥く、
②すると穴が現れるが、このうち500円玉大の穴に目星を付ける、
③その穴に筆(書道用の筆です)を深く差し込む、
④アナジャコがいて、かつ、その個体が活性状態なら、巣穴を掃除するために筆を押し上げてくる(アナジャコにはそういう性質があるのです)、
⑤指を穴に突っ込んでアナジャコの二つの鋏脚を押さえる、
⑥そのまま筆ごとゆっくりと引き上げる
多摩川には個体数は少ないのですが、こうして釣り上げた個体を撮影したのがこの写真です。この時期は抱卵しているようです。
ちなみにアナジャコやその巣穴には様々な生物が共生していて、本体にはマゴコロガイ、シタゴコロガニ(凄い和名です)やアナジャコウロコムシなどが、巣穴にはトリウミアカイソモドキ、クボミテッポウエビなどが棲むとされていますが、残念ながら未だ出会えておりません。