カブトガニ (カブトガニ科) Tachypleus tridentatus(Leach, 1819)
カブトガニ(広島湾)
絶滅危惧T

砂に潜って休んでいるカブトガニ
 
オリンパスE-3 ZD8/3.5魚眼+EC14 f8 1/90 Z-240×2(TTL) 
広島湾 6月 水深1m

 本種は「生きている化石」として有名ですが、非常に稀な生物となっています。絶滅危惧T類(無脊椎動物ではTA、TBの区分はありません)に指定されております。主な生息地は伊万里川河口、曽根干潟、山口湾などです。

 広島湾にもわずかながら生息していることは知っていましたので、探してみることにしました。発見できる可能性は非常に低いことは覚悟の上です。レンズは魚眼+テレコンの超広角一本槍で、撮影期間中は、カブトガニを探すことだけに専念しました。

 かなりの広範囲を探し回りましたが、見つかりません。諦めて帰ろうと思ったのですが、とりあえず海岸の端までは行ってみようと思って、そこで発見しました。諦めて帰ろう、と思った地点から、海岸の端まではわずか20mほどだったので、もし引き返していたら、カブトガニには出会えずにいたところでした。

 発見したのは亜成体で、尾剣まで含めると50cmほどありました。この後最終脱皮をすればペアリングするのでしょう。成体ではないので、雌雄の区別は付きません。単独で砂に潜っていました。黄色いテープが見えますが、これは地元の保護団体が個体識別用に貼付しているものです。その日付からすると、2年近く脱皮していないようです。

 砂底に半分潜っていたため、全身を見るために上から水流で砂を払いましたが、砂を払うとさらに砂底に潜ります(目の辺りまで潜ると安心するようです。)。脱皮したてでないことは明らかでしたので、やむを得ず甲を持って海底から引き離そうとすると、抵抗して海底に吸い付くような動作をとります。

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