河川の上流域に生息するドジョウです。緩流部の浮き石の礫底でないと見られません。沈み石や、砂底の場所にはニシシマドジョウがいて、棲み分けています。
急流の浮き石ではなく、緩流の浮き石という難しい条件に生息するため、上流の工事などで土砂が出て川底が埋まったり、ダムで流量が均一化すると本種の生息環境が損なわれるものと思われます。
シマドジョウ類は眼を通る黒い線がありますが、本種にはそれがなくごま模様で、、一見してシマドジョウ類とは異なります。扁平で、体側の模様も独特です。
本種は極めて美味らしく、岐阜では本種 を狙った専門の漁(登り落ち漁)があるほどです。
非常に警戒心が強いドジョウで、しかもすぐ泳ぎます。このため、接近は容易ではありません。いったん1mほど先で着底しますが、こちらがじっとしていてもまた泳ぎ去ってしまいます。
夜間はあまり見つからないので、礫の下に隠れているようです。そこで、翌朝腹の減っているところを狙うことにしました。朝は盛んに岩の上の藻類を舐め採っているので、さほど警戒心が強くないように思われました。
撮影するなら、カメラを構えたまま少しずつ接近する方がよいでしょう。田口哲さんの写真で、泳ぎ出す瞬間を撮影したものがあり、相当粘られたのではないかと思います。私も遊泳中を狙ってみました。