イシドンコ

(ドンコ科 ドンコ属)

Odontobutis hikimius Iwata and Sakai, 2002

イシドンコ(高津川)

絶滅危惧Ⅱ

イシドンコ

オリンパスE-3 ZD12-60(19)/2.8-3.5 f8 1/45 Z-240×2(TTL)

高津川 8月 水深50cm

 日本に棲息するドンコは、①山陰・琵琶・伊勢グループ、②匹見グループ、③東瀬戸グループ、④西瀬戸グループ、⑤西九州グループ、の5群に分かれると報告されていますが、そのうちの②匹見グループが新種記載されたのが本種です。種小名の"hikimius"は匹見に由来します。

 ドンコとの見分けは難しいですが、①頭が扁平で尖っている、②胸ビレの根元に二つの黒斑が明瞭にある、というのが実用的な判断ポイントと思われます。正式には孔器列の違いです。また、ドンコは主に砂底で見られますが、本種は浮石の礫底で、棲息環境が異なります。

 流れの緩やかな比較的浅い場所にいて、深い淵では見かけません。和名のとおり、積み重なった石の下に潜んでいて、表に出ている個体は見られませんでした。流れのない場所(浮遊物が石の上に沈澱しているような場所)では見かけません。

 石を少し持ち上げてもしばらくはぼうっとしているので、昼間は寝ていると思われます。しかし、石を完全に起こすと瞬時に遁走するため、図鑑写真を撮るのは意外と難しいです。撮影地では、一つの瀞場で15-20cmほどの成魚を5-6個体見かけました。幼魚は浅い緩流部にもいて、あまり逃げない(隠れない)ので比較的撮影しやすいです。

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