南西諸島の汽水域の普通種です。背びれの先端が伸長するのが和名の由来となっています。本土のものは、2002年に「ヤマトイトヒキサギ」として分離され、新種記載されました。両者の外見上の違いは側面の模様で、イトヒキサギは楕円形の黒班があります。
未成魚は小さい群れまたは単独で緩流部におり、中層から底層を直線的に泳ぎます。泳ぎ方はストップ・ゴーです。胸びれ、尻びれ、尾びれの下側先端がそれぞれ銀色に輝いていることから、コントラストの低い水中でも本種を見つけることができます。警戒心は強いですが、じっとして馴らせばそこそこ近くを泳いでいきます。
ただ、本種の特徴である「イトヒキ」の状態を写し止めるにはなかなか手こずりました。ストップ・ゴーのストップした一瞬だけ背びれを開きますので、それを狙っています。