下流域の止水部という濁った場所に棲むうえ、夜行性で、生態写真が少ない種です。相模川はカワアナゴが多い川と言われますが、なかなか見つかりませんでした。
ところが、カワアナゴがたくさん集まっている場所があります。それは、流れのある場所にぽつんとある障害物の周辺です。撮影した場所では、10匹くらいのカワアナゴが仲良く集まっていました。カワアナゴの仲間は単独で棲み、同種の個体は激しく追い払うはずなのですが・・・。
写真の個体はその中の主とも言える巨大な個体で、30cm近くあったものです。一見コイと見まがうほどでした。100ミリ級のマクロでは全身の撮りようがないので、厳つい顔だけアップで撮りました。頭頂部に名誉の傷跡らしきものまであって、貫禄のある個体です。逃げるそぶりも全く見せませんでした
少し明るい場所に出ると、このように背側を明るい色に変えます。川魚の敵は鳥類ですから、これを欺く戦略でしょう。
一般に川魚は上から迫ると必ず逃げますので、姿勢を低くして、下流から迫るのが正当な接近法です。