2002年に新種記載された魚で、それまではニセシマイサキと同一視されていたようです。淡水域に棲息し(それ故「清水」との和名になった模様)、緩流部を好みます。本種は国内では西表島でのみ確認されています。
ニセシマイサキとの違いは、①成魚になってもシミズシマイサキは黒い縦縞が消失しない、②未成魚のうちは、シミズシマイサキは眼を通る黒線が眼の直後で断続する、という点です。
深い淵で30cmほどの成魚を観察していますが、非常に警戒心が強く、奥に引っ込んで全く出てきません。フエダイ類のように好奇心を持ってこちらに近づいてくることはありません。
一方、7-10cmほどの未成魚については、かなり警戒心は強いものの、岩の周りを同じルートで巡回しているので、定位置で待機し、ルート上を動くところを撮ることができます。基本的には単独で、仲間が近づくと2,3匹の群れになることもありますが、群れの結束は緩く、比較的容易にばらけます。ストップ・ゴーの泳ぎ方はせず、底層を岩にまとわりつくように泳ぎます。時折、岩に着いた付着物をついばんでいます。
なかなかヒレを開かないので、図鑑写真が撮りにくい種です。上の写真は「それ開いた!」という瞬間ですが、フラッシュのチャージが間に合わず、自然光撮影となってしまったものです。天気がよかったので、辛うじて撮れています
こちらは3cmくらいの幼魚です。やや流れのある渓流部にいました。背部が少し黄色みを帯びています。
これくらい小さいとあまり警戒心もなく、撮り放題でした。