クダヒゲエビ科の一種

(クダヒゲエビ科 属不明)

Solenoceridae sp.

クダヒゲエビ科の一種(三保)

クダヒゲエビ科の一種の幼体

オリンパスE-3 ZD35/3.5マクロ f11 1/250 Z-240×2(TTL) 

三保 11月 水深15m

 正直言って同定困難で、成体か幼体かも判然としません。しかし、①遊泳している、②胸脚が後ろに行くほど貧弱、③第一触角が太いという点から見て、クダヒゲエビ科のある種の幼体ではないかと考えています。さらに④頭胸甲が腹節よりも相当太い、⑤額角が短く、頭胸甲部分まで出っ張りが続いている、といった特徴から、コウダカクダヒゲエビに近いように見えます。

 クルマエビ科に近縁のチヒロエビ科やクダヒゲエビ科のエビは、深海性ということもあってダイバーにはまず無縁のエビですが、水産上はツノナガチヒロエビ、ヒゲナガエビなど多獲される重要種もあります。

 さて、この個体は水深15mくらいのところを夜間遊泳していたもので、1cmほどの大きさです。この時期には多数見られましたので、おそらく珍しいものではないでしょう。クダヒゲエビ科のエビの生態はよく分かりませんが、成体は深場に着底して棲息していても、浮遊生活をする幼生にとっては深海は餌となるプランクトンは少ないでしょうから、幼生期には表層近くに上がってくることは十分考えられます。そういう状況に遭遇したのかもしれません。

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