スジハゼはA、B、Cの3種に分けられていましたが、近年うち2種については学名が確定しております。
●スジハゼA →「ツマグロスジハゼ」 Acentrogobius sp. A
・腹鰭の後端が黒く縁取られる(「ツマグロ」の由来)
・第1背鰭に黒斑がない
・尾柄部の黒斑下に斜め上方に向かう黒班がある
・河口域から内湾湾奥部の砂底~砂泥底0-2mに棲息。塩分濃度の低い場所
・テッポウエビと共生することがある。
●スジハゼB →「スジハゼ」 Acentrogobius virgatulus (Jordan and Snyder, 1901)
・第一背びれに黒斑がある
・胸びれ基底下部の棒状班が明瞭
・尾柄部の黒斑は楔形。この黒斑下に別の黒班はない
・河口域から内湾湾奥部の泥底~砂泥底0-1mに棲息。アマモ場に多い
・テッポウエビと共生することがある
●スジハゼC →「モヨウハゼ」 Acentrogobius pflaumii (Bleeker, 1853)
・体型がツマグロスジハゼ、スジハゼに比べ太短い
・胸びれ基底下部の棒状班が不明瞭
・尾柄部の黒斑は楕円形。この黒斑下に別の黒班はない
・内湾奥部の軟泥底10-30mに棲息
・テッポウエビとは共生しない写真の個体は旧「スジハゼC」で、「モヨウハゼ」となりました。尾柄部の黒斑が楕円形であることが本種の特徴で、内湾のやや深い軟泥底に棲息します(ツマグロスジハゼとスジハゼは浅い場所に生息)。本種はテッポウエビ類と共生しないとされています。
この個体はダルマガレイの上に乗っていました。泥と同化しているダルマガレイも見事です。モヨウハゼもまさか自分が魚の上とは思っていないのでしょう。