テナガエビとミナミテナガエビは酷似しており、成長した個体でははさみの部分の毛の有無などで見分けることができますが(毛があるのはテナガエビ)、小型個体では判別困難とされてきました。しかし、最近の研究(益子計夫先生)によると、前節掌部と腕節の部分の長さで見分けることが可能なようです。すなわち、「腕節/前節掌部」の比率が、
・ミナミテナガエビでは成長に無関係にほぼ1.0~1.3、
・テナガエビでは小型個体(体長約25~50mm)では1.3~1.9、大型個体(同50mm以上)では1.2~1.7
とのことです。
写真の個体は、はさみの部分に毛がなく、「腕節/前節掌部」の比率が1.2程度であることから、ミナミテナガエビと考えられます。
テナガエビと同様、緩流域に棲んでいます。酒匂川では同じような場所にヒラテテナガエビが優占しており、本種の個体数は少ないです。