ムツゴロウ

(ハゼ科 ムツゴロウ属)

Boleophthalmus pectinirostris (Linnaeus, 1758)

ムツゴロウ跳躍(六角川)

絶滅危惧II

ムツゴロウの求愛ジャンプ

オリンパスE-3 ZD50-200(200)/2.8-3.5 f4 1/3000

六角川 7月 干潟

 絶滅危惧種に指定されていますが、有明海ではたくさん見られます。有明海の象徴種で、魚の中でもよく知られているものの一つでしょう。

 諫早湾が締め切られたときは、ムツゴロウを「救出」して他の干潟に移した団体などもありました。マスコミに「美談」として紹介されましたが、こうした行為は移植・放流であり、厳に慎むべきでしょう。

 この時期にはあちこちで闘争したり、求愛のジャンプしているのが観察できます。警戒心は強く、スイタで前進すると20分くらい穴に引っ込んだまま出てきません(シオマネキはすぐ出てきます。)。ただし、場所を決めてじっとしていれば、上半身を少々動かしても逃げません。魚眼+テレコンを装着したカメラも持参したのですが、さすがに目の前でジャンプしたり、闘争することはありませんでしたので、400ミリクラスの超望遠がないとそれなりの大きさでは撮影できないと考えた方がよいでしょう。

 活動的な個体とそうでもない個体がいます。前者はよくジャンプしたり、闘争したりするので、そういう個体をマークしておくのがよいでしょう。概して大型の老成個体はまったりしている感があります。

 ジャンプは通常2回行います。ジャンプの方向は一定しないので、跳躍を撮りたければとにかくジャンプした瞬間にシャッタを切るしかありません。跳躍の瞬間は一歩下がる感があるので、被写体をあまり端に配置させていると画面から切れてしまうことがあります。ピントはAFよりもMFの方がよいでしょう。2日目のジャンプではどのみちピントがずれてしまいますので、1回目のジャンプに賭けるのがよいでしょう。連射しても歩留まりは悪いです。

 跳躍を撮影するのなら、シャッタ速度は1/1500より速くすべきで、曇の日ではISO感度を上げざるを得なくなります。晴れた日に行くのがよいでしょう。

 干きはじめは活動が盛んですが、潮が満ちてきてもジャンプは続けています。波打ち際で波を背景に撮影するのもよいでしょう

ムツゴロウ闘争(六角川)

ムツゴロウの闘争

オリンパスE-3 ZD50-200(200)/2.8-3.5 f3.5 1/2000

六角川 7月 干潟

 ムツゴロウは巣穴を中心になわばりを持っているため、侵入してきた他個体を追い払います。同じくらいの大きさの個体であれば、互いヒレを全開にし、口を開けて闘争を始めます。小さい個体が侵入してきた場合は、一方的に追い払いますので闘争には至りません。

 したがって、闘争を撮影する場合は、ムツゴロウの動きをよく観察し、同じくらいの大きさの他個体が接近したらカメラを構え、だいたいのピントを合わせておきます。闘争は通常2-3秒で終わってしまうため、闘争を発見してから撮ろうと構えても間に合いません。

 ピント合わせはシビアで、目に遭わせるのは簡単ではありません。

 トビハゼが侵入してきた場合は、通常は追い払いません。ただし、追い払う個体もいます。

 一方、シオマネキは追い払います。食性が重なるからでしょう。ヒレを全開にしてシオマネキの周りを取り囲むようにして回る行動が見られます。しかしこれはあまり効果がなく、最後は口で押して追い出します。

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