スナヤツメ南方種

(ヤツメウナギ科 カワヤツメ属)

Lethenteron sp.S

スナヤツメ南方種(嘉瀬川)

絶滅危惧II

スナヤツメ南方種の産卵

オリンパスC-40Z f8 1/60 D-180オート 撮影距離30cm

嘉瀬川 4月 水深60cm

 春先に、砂底に集まって産卵します。

 産卵は昼間、流れのある場所で行われていました。卵は白くて丸く、直径1mmほどでした

以下、南方種か北方種か不明

スナヤツメ産卵1(福島県の河川)

①産卵床を掘る雌雄

オリンパスE-3 ZD50/2マクロ f13 1/125 Z-240×2(TTL)

福島県の河川 4月 水深30cm

 スナヤツメの産卵は多数が参加することも多く、その場合はどんな手順で産卵が行われるのか訳が分からないのですが、この産卵床では雄2匹、雌1匹の計3匹だけでしたので手順がよく分かりました。

 淵尻が産卵ポイントとして選ばれていました。伏流水が通りやすいからだと思われます。

 雄、雌ともに口で小石を運び出し、産卵床を作ります。体を震わせて砂を飛ばすことがありますが、これは石を持ち上げようとして震えるものであって、サケ類のように体を使って穴を掘るわけではありません。スナヤツメには石の大きさは分からないようで、とりあえず持ち上げてみて、運べる石であれば運ぶ、という感じです。ですので、「いやいや、そりゃ無理でしょ!」と突っ込みたくなるような大きな石に挑んでいることがあります

スナヤツメ産卵2(福島県の河川)

②一度目の産卵

オリンパスE-3 ZD12-60(17)/2.8-4 f6.7 1/250 自然光 -1補正

 径30cm、深さ7-8cm掘ると、石に吸い付いた雌の顔に、雄2匹が吸い付き、かつ、尾を雌の腹に巻き付けます。雌は雄から腹を絞り出されるのでしょう、この体勢で体を震わせて産卵します。白い卵が舞っていますが、卵には粘着性があるようで、石の表面に付着すると離れません。

 撮影は広角側で行い、直近まで寄っておりますが、スナヤツメは全く逃げようとしません。

 この日は快晴で、光が十分にあるため、途中で自然光に切り替えました。露出-1補正しています。

スナヤツメ南方種産卵3(福島県の河川)

③埋め戻し

オリンパスE-3 ZD12-60(17)/2.8-4 f5.6 1/250 自然光 -1補正

 雌雄で石を運んで埋め戻しを始めます。石は付着物のないつるつるのものが選ばれるようです。水質が悪くならないように、という意味だと思われます

スナヤツメ南方種産卵4(福島県の河川)

④3回目の産卵

オリンパスE-3 ZD12-60(17)/2.8-4 f5.6 1/250 自然光 -1補正

 産卵は埋め戻しながら複数回行われます。最後の産卵までは雄も石を運びます

スナヤツメ南方種産卵5(福島県の河川)

⑤雌単独での埋め戻し

オリンパスE-3 ZD12-60(17)/2.8-4 f5.6 1/250 自然光 -1補正

 雌の腹がぺちゃんこになり、これ以上産卵しないと分かると、雄は埋め戻しをやめ、1匹、また1匹と去って行きました。繁殖の観点からは非常に合理的です。

 残された雌は単独で石を運び、埋め続けます。

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