春先に、砂底に集まって産卵します。
産卵は昼間、流れのある場所で行われていました。卵は白くて丸く、直径1mmほどでした
スナヤツメの産卵は多数が参加することも多く、その場合はどんな手順で産卵が行われるのか訳が分からないのですが、この産卵床では雄2匹、雌1匹の計3匹だけでしたので手順がよく分かりました。
淵尻が産卵ポイントとして選ばれていました。伏流水が通りやすいからだと思われます。
雄、雌ともに口で小石を運び出し、産卵床を作ります。体を震わせて砂を飛ばすことがありますが、これは石を持ち上げようとして震えるものであって、サケ類のように体を使って穴を掘るわけではありません。スナヤツメには石の大きさは分からないようで、とりあえず持ち上げてみて、運べる石であれば運ぶ、という感じです。ですので、「いやいや、そりゃ無理でしょ!」と突っ込みたくなるような大きな石に挑んでいることがあります
径30cm、深さ7-8cm掘ると、石に吸い付いた雌の顔に、雄2匹が吸い付き、かつ、尾を雌の腹に巻き付けます。雌は雄から腹を絞り出されるのでしょう、この体勢で体を震わせて産卵します。白い卵が舞っていますが、卵には粘着性があるようで、石の表面に付着すると離れません。
撮影は広角側で行い、直近まで寄っておりますが、スナヤツメは全く逃げようとしません。
この日は快晴で、光が十分にあるため、途中で自然光に切り替えました。露出-1補正しています。
雌雄で石を運んで埋め戻しを始めます。石は付着物のないつるつるのものが選ばれるようです。水質が悪くならないように、という意味だと思われます
産卵は埋め戻しながら複数回行われます。最後の産卵までは雄も石を運びます
雌の腹がぺちゃんこになり、これ以上産卵しないと分かると、雄は埋め戻しをやめ、1匹、また1匹と去って行きました。繁殖の観点からは非常に合理的です。
残された雌は単独で石を運び、埋め続けます。