河口域や内湾奥部で、カキの付着している場所に生息するイソギンポ類です。同じような環境でも、外洋に面した場所にはいないらしく、東京湾や伊勢湾など内湾の奥部に限って生息します。このため、レジャーダイバーが出会うことはなく、生態写真も少ないようです。
本種は極めて濁った場所(透視度は20cm程度)にいるため、発見はできても撮影は容易ではありません。カキが付着した垂直護岸や浅瀬の杭などに本種は付いています。特に孤立した杭では高密度に付いていることがあります。
水平構造よりも垂直構造を好むようで、カキ礁のような水平にカキが広がる場所では生息密度は低い印象です。沖合では見かけませんので、薄い塩分を好むようです。
この写真は干潟の上に発達したカキ礁で撮影しました。干潟で浄化され、透明度が上がった水が満ちてくる際、一瞬透視度が1mほどになることがあります。このチャンスに撮影したものです。
警戒心はさほど強くないと思いますが、寄るとカキ殻に逃げ込んでしまいます。じっとして寄ってくるのを待つ方が撮影しやすいでしょう。