イワトコナマズ

(ナマズ科 ナマズ属)

Silurus lithophilus (Tomoda, 1961)

イワトコナマズ(琵琶湖)

準絶滅危惧

イワトコナマズ

オリンパスE-3 ZD12-60(12)/2.8-4 f8 1/250 Z-240×2(TTL)

琵琶湖 7月 水深1m

 ビワコオオナマズと同じく昭和36年に新種記載されたナマズです。大きさはナマズに近いのですが、顔つきが違っています。目が側方に突出していて、頭が扁平です。光を当てると体は黄金色を呈していますが、これも特徴的です。

 「岩床」の名前のとおり、岩礁地帯に住んでいます。頭が扁平なのは、石の間に頭を突っ込んで摂餌するのに都合がよいからとされています。

 さて、本種も産卵期でもなければ容易に撮影できないだろうと考え、何度か夜の琵琶湖に通いました。ある場所で19時頃、潜ってすぐに、水深50cm程度の浅場で発見することができました。どうやらウシガエルの死体を喰ってるようです。50cmは超えているであろう大きな個体です。水中灯の光量を最小に落とし、逃げられないように慎重に背後から寄りました。しかし、イワトコナマズは同じくらいの速度で少しずつ前進し、距離を詰められません。そのうち、いきなりきびすを返して私の真下を通り、ゆっくりと深場に移動してしまいました。この日はこの個体を目撃したのみで、撮影に至れませんでした。繁殖行動をしているは様子はありませんでした。

 近くにいた釣り人によれば、1m級の大物もいるのだそうです。本当かと思い、「それはビワコオオナマズでは?」と聞き返したのですが、「いえ、イワトコです」とおっしゃいました。そんな大物もいるのかも知れません。

 日を改めて別の場所にも出かけてみました。こちらではイワトコナマズを結構見ることができました。ところが、いずれも30-40cm程度しかなく、痩せており、皮膚病にかかっているようなものばかりでした。栄養状態が悪いのか、ここの集団は何らかの病気にかかっているのか、あるいは産卵後で消耗しているのか、よく分かりません

 泳ぎ方はちょこまかして素早く、光を当てると地を這うように右往左往して岩陰に隠れようとします。イワトコであることは間違いないのですが、上記の別の場所で見たイワトコナマズとはかなり性格が異なるように感じました。

 岩をつかんで礫底にへばりつき、目の前を通った時に撮影しています。

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