ルリマダラシオマネキ

(スナガニ科 シオマネキ属)

Uca tetragonon (Herbst, 1790)

ルリマダラシオマネキ(西表島の河川)

ルリマダラシオマネキの雌

オリンパスE-3 ZD8/3.5魚眼+EC14 f9.5 1/250

西表島の河川 5月

 南国的な色彩を持つシオマネキです。海寄りの比較的乾いた砂地で、石ころやヒルギの膝根がある場所に棲息します。文献では高潮線付近に棲むとされていますが、撮影地ではオキナワハクセンよりも低い場所にいました。

 個体数はオキナワハクセンシオマネキやヒメシオマネキに比べるとはるかに少ないです。本種は警戒心が強いとされますが、私が撮影した限りにおいてはさほど強いとは感じませんでした。警戒心はハクセン=ヒメ=ルリ<<ベニという印象です。巣穴から出てくると、岩やヒルギ類の膝根に付いた藻類を食べています。

 甲の変異はあまり見受けられませんでしたが、脚の色彩変異は結構あり、瑠璃色のもの、赤いもの、橙色のものがいました。

 上の写真は脚まで瑠璃色の雌で、恒例の「魚眼シオマネキ」に挑んだものです。10分ほどで入口に出てきますが、入口でじっとしています(これはどのシオマネキ類にも共通する行動です)。ヒゲや脚を動かさないので警戒している状態です。レンズの真ん前なので、少しでも動くと引っ込んでしまいます。そのうち動き始め、少し巣穴から離れて摂餌を始めます。じっとして観察していると、ウェイビングも行います。

ルリマダラシオマネキの雄

オリンパスE-3 ZD50/2マクロ f8 1/125

西表島の河川 5月

 ところで撮影地点では雌ばかりで、なかなか雄が見つかりません。美麗種だけにマニアやトリコが雄ばかり採っていったのか、と勘ぐりたくなったほどです。

 粘って捜したところ、ようやく1匹の雄を見つけました。盛んに巣穴の泥を掻き出しています。穴から出る脚とは反対側の脚で泥を掻き出します(これはシオマネキ類に共通の行動です)。巣穴を掘っているのですぐに出てくるだろうと魚眼で撮影しましたが、ここでは中望遠マクロで撮影した写真を掲載します。

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