ショキタテナガエビ

(テナガエビ科 テナガエビ属)

Macrobrachium shokitai Fujino & Baba, 1973

ショキタテナガエビ(西表島の河川)

準絶滅危惧

ショキタテナガエビノエラヤドリに寄生されたショキタテナガエビの幼体

オリンパスE-3 ZD35/3.5マクロ f8 1/250 Z-240(TTL)×2

西表島の河川 5月 水深50cm

 西表島の固有種で、陸封型のテナガエビです。和名、学名とも、諸喜田茂充博士の名が冠されています。

 形態的にはミナミテナガエビと近縁とされていますが、水中でのぱっと見はむしろコンジンテナガエビに似ています。しかし、コンジンテナガエビは額角先端が上を向き、上縁の歯が7-9程度しかないので容易に区別できます(本種は上縁に10-12歯、額角の先端は上を向かない)。また、コンジンテナガエビは腹節側面に4個の明点があります(たまに不明瞭な個体もいますが)ので、見紛うことはないでしょう。

 ミナミテナガエビとは額角下縁が通常2歯(ミナミは通常3歯)であることで区別しますが、ショキタでも3歯のものがいるようです。むしろ色彩や模様に着目した方が便利で、ミナミは緑色っぽく、頭胸甲側面に「m」字模様があるので区別できるでしょう。生態的にもミナミは全く流れのない場所を好みますが、本種は少し流れのある岩場にいます。

 さて、撮影地では大型個体をずいぶん探したのですが、結局小型個体にしか出会えていません。肉が白っぽい個体や、ショキタテナガエビノエラヤドリ(等脚目・エビヤドリムシ科・Probopyrus属の1種)に寄生されている個体も多く見られます。このエビヤドリムシはショキタテナガエビのみに寄生するようで、同所的に見られる他種では全く見られませんでした。

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