本種はウキゴリ属の希少種で、ニホンスナモグリやアナジャコの巣穴がある湾奥部に生息します。全長5cmほどの小型のハゼで、チクゼンハゼに似ていますが、腹の横縞がチクゼンハゼほど明瞭ではありません。また、砂底というよりは砂泥底を好むようです。
かつては絶滅危惧IB類に指定されていましたが、2007年にII類となりました(2007改訂で格下げになったのは本種とチクゼンハゼのみ)。ただ、撮影地では個体数が多いとは思えません。ヒメハゼやマハゼの方がはるかに多い印象です。
春先には小型のマハゼも多数見られますが、マハゼは三角頭なので水中でも見分けが付きます。また、マハゼの逃げ方は逃げ幅が大きく、ホバリングしないため、挙動でもエドハゼとは区別できます。エドハゼは遠くに逃げず、一瞬でもホバリングします。
ウキゴリ属らしく、ホバリングしている個体も見かけます。こういう個体はゆっくりと泳いでいますが、急に接近すると素早く穴に入ります。逃げられないようごくゆっくりとカメラを構えるのですが、透視度のあまりの悪さに見失ってしまい、ホバリング写真はなかなか撮影できないでいます。
写真の個体は一瞬ホバリングした3cmほどの未成魚です。ニホンスナモグリ等の巣穴から頭を出している個体も見かけますので、巣穴の中にはもっと多くのエドハゼが生息しているのかもしれませんが、簡単に出会える種ではありません。