在来のタナゴ類は急速に減少しており、カネヒラ以外はすべてが絶滅危惧種となってしまいました。本種もついにⅠA類に指定されました。
本種は、本来は濃尾平野、琵琶湖・淀川水系が自然分布域ですが、撮影地のように移入先で隆盛している場合もあります。
止水部にもいますが、主にゆるい流れのある場所で群れています。体高が低く、体側に「一文字」があり、口元も尖って上向きであることから、水中ではタナゴというよりむしろモツゴに近いように見えます。
警戒心は他のタナゴ類同様で、オイカワ、カワムツ、イトモロコなどよりもはるかに強く、撮影は容易ではありません。群れで行動し、1匹が逃げると他も逃げます(フナ類と同様)。このため、群れ全体を逃がさないようにごくゆっくりと接近する必要があります。石や藻に付いた付着藻類などを食べているので、そういう状況になるのを待ち、下流から接近するのが策です。魚体反射が激しいので、フラッシュは上方に位置させる必要があります。
昼間群れをつくっている魚は、夜になると群れを解き、単独で水底付近で寝るのが通例です。本種も昼間は群れていますが、夜間は単独で水底付近にじっとしています。寝ているので接近しやすいのですが、あまりおもしろい写真にはなりません。