ネコギギ (ギギ科) 

(ギギ科 ギバチ属)

Pseudobagrus ichikawai (Okada & Kubota, 1957)

ネコギギ1(揖斐川)

絶滅危惧IB 天然記念物

卵を持ったネコギギの雌

オリンパスE-3 ZD50/2マクロ f8 1/250 Z-240×2(TTL)

揖斐川 7月 水深50cm

 淡水魚で国指定の天然記念物は4種ありますが、そのうちの一つです。4種の中では最も早い時期に撮影に着手した魚ですが、なかなか出会うことができず、結局最後になりました。本種を撮影しようと何度か三重県の宮川に通いました。夜行性なので、野営しながらの撮影です。ところが、「ここには絶対にいるはず」と思って行った所がもぬけの殻だったり(アブラハヤばかり)、「ついに見つけた」と喜んだら移入種のギギだったりして(これには本当にがっくりしました)、結局出会えずじまいでした。

 このたび、揖斐川でようやく撮影することができました。淵にある岩盤のオーバーハング下に数匹が潜んでいました。たいていアブラハヤと同居していますが、アブラハヤよりも奥にいます。このため、少し表に出てこない限り撮影できません。ただし、行動はある程度読めます。岩陰に潜んでいても、そこがあまり気に入らないと表に出て別の場所に移動します。その通り道はだいたい決まっているので、その場所を見定め、置きピンで撮影しました。

 ここでは腹の大きな雌を掲載します。奥の岩陰に数個体潜んでいるのが分かると思います

ネコギギ2(揖斐川)

ネコギギの幼魚

オリンパスE-3 ZD35/3.5マクロ f8 1/250 Z-240×2(TTL)

揖斐川 9月 水深30cm

 9月に夜潜りすると、幼魚を多数見ることができました。既にこの頃から単独生活をしています。抽水植物のそばや、岩盤付近で観察されました。頭が大きく、黄色い縞もはっきりしており、いかにも幼魚らしいですが、形態は親と同様です。幼魚は光を当ててもあまり逃げません。そのかわり、小さい上、ひょろひょろと予測のできない方向に泳ぐので写し止めるのはなかなか苦労します。

 一方成魚は光を嫌い、光を当てると直ちに石の下に入ってしまいます。夜間に成魚を撮影するのはなかなか難しいです。

 なお、文献にはネコギギは流れの緩やかな場所に生息する、とありますが、実際に夜潜りしてみると、全く流れのないような場所でも結構見られました。

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