スジシマドジョウ中型種族の1亜種で、「遠賀型」と呼ばれてきたものです。遠賀川水系の固有亜種で、2012年に新亜種記載されました。
水中で観察した限りでは、全体に模様(黒班部)の色が薄く(薄茶色)、チュウガタスジシマドジョウとはかなり印象が異なります。また、チュウガタスジシマドジョウは、体側中央の最も太い黒条(L5)が通年一直線に繋がっているのに対し、本亜種は通常時は点列で、繁殖期は雌の一部と雄は繋がります。もっとも、チュウガタスジシマドジョウと本亜種は生息域は重なりません。(同じ福岡県でも、瀬戸内側の一部にはチュウガタスジシマドジョウが分布する。)
尾柄部の黒点は、背部(上部)の点のみ濃く、これでヤマトシマドジョウとは見分けられます。また、頬の模様がすっきりしてます(ヤマトは複雑)。
野生状態での挙動は、他のシマドジョウ類と特段変わらないように見受けられました。繁殖期を過ぎているため、中央黒条が線列の個体は見当たらず、すべて点列でした。ひたすら砂を喰っては鰓から出しており、成長に専念している様子でした。