ウキゴリ属のハゼといえば、どの種も流れのない場所にいる、という印象でしたが、本種は流れのある場所にいる変わり種です。
本種は瀬の浮石の下におり、相当な急流にも見られます。私が捜した限りでは、石の下以外では見かけませんでした。ウキゴリやスミウキゴリは岸寄りの砂泥底で全く流れのない場所にいるので、見た目は似ているものの、明らかに棲み分けています。
本種とウキゴリ、スミウキゴリとの外見上の相違は、①尾柄部が円形の黒班ではなくより複雑な模様(K字状)になっていること、②胸びれの基底に細かな白斑列があること、です。
本種は挙動もカジカ並みで、石を退かすと飛ぶように逃げて石の下に隠れてしまいます。ただ、小型個体はさほど神経質ではありません。しばらく右往左往した後に近くの石の下に入り込みますので、それを狙いました。