観察例の少ない泥底種で、三保でもたまに出ます。目の後方に鈍角三角形の青白斑があるのが本種の特徴です。
本種は、比較的深い場所の泥底に結構大きな巣穴を掘り、そこを中心に活動します。巣穴は出入口が2-3箇所あり、地下でつながっております。かなり激しく泥煙を上げて巣穴づくりをしていることがあります。穴居するため、発見されればしばらくの期間観察が可能です。
同じような場所にアカタチ類も棲息し、穴居するのも似ていますが、本種はアカタチ類のように浮遊物を食べるのではなく、泥底をつついて小動物を食べています。また、この食性から、結構あちこちに出かけて食事をするようで、必ずしも「巣穴のそばにいないから穴に引っ込んでいる」というわけではありません。
本種はアカタチ類同様警戒心が強いため、寄り方もこれに準じます。ライトを点けていると接近困難ですので、晴れて海中が明るい日がよいでしょう。また、慣れていない個体はフラッシュ一発で引っ込んでしまいます。この個体は20cmほどの未成魚で、ガイドさんが慣らしておいてくれたので比較的容易に撮影することができました。
水中では青白く輝いて非常に美しいのですが、魚体反射が大きいので、フラッシュを高く上げておく必要があります。撮影機材が脅威を与える分じわじわと寄らねばなりません。