本種は三保以外でも比較的観察例のあるアカタチです。他のアカタチ類と違い、南方から流されてくるようで、夏場に見られます。性質も他のアカタチ類と異なり警戒心が薄く、撮影しやすいとされています。
三保で観察される他のアカタチ類と異なり、体高が高いため、見分けるのは簡単です。
最初にこの個体に遭遇したときは、まだ慣れておらずフラッシュ一発で引っ込んでもはや出てきませんでしたが、ガイド陣が数日間馴らしたら比較的簡単に寄れるようになりました。この個体は発見当初は10cmあまりの幼魚で、適応力が大きいというのもあったようです。その恩恵で、二度目には画面いっぱいに撮影することができました。それでもフラッシュを焚くたびに巣穴に入っていました。
この個体は全長20cm弱まで成長していましたが、流れが速いと流されるため出てきませんでした。むしろ緩やかな潮があるときによくホバリングし、浮遊するイサザアミ類を食べていました。
写真では一部しか見えていませんが、海底にかなり大きなすり鉢状の巣穴を掘ります。